【完】イチョウ~あたしは幸せでした~








「大丈夫なわけないでしょ!!」







あたしだった。



あの痛々しい音を出していたのは。



蒼の頬を叩いていたのは。





「舞衣っ!?」



「ごめん、未唯、あたし蒼病院に連れて行ってくる。」



「わ、分かった……気を付けてね?」



「うん!蒼行くよ。階段下りて。」




そしてあたしと蒼は長い階段を下り、
蒼のお父さんのやってる病院へと向かった。




だんだんと、蒼の体温が上がって行く。



熱があるんだ……



蒼……





大丈夫…だよね?
蒼…