【完】イチョウ~あたしは幸せでした~








そんなことを考えると、顔が赤くなっていくのが自分でわかった。



両手で顔を隠し蒼に背を向けた。




「舞衣?どうした?」



「な、なんでもない!!」



顔覗き込まないで……


今はやめて……



「舞衣、来い。こっち。」



「え?」



あたしは思わず振り返ってしまった。




「はい。捕まえた。って、俺恥ず……」




そう言いながら蒼の腕の中にすっぽりと納まってしまったあたし。




「蒼って意外と子供っぽいところあるんだね……」




なんだろ、蒼のおかげで照れなんてどこかに行ってしまった。