【完】白衣とお菓子といたずらと

俺の要求に彼女は黙ってしまった。


今までは彼女の方がリードしていたというのに、いざとなるとこの反応。


意外というか、ギャップがまた良いと思う俺は、もう彼女の虜だとしか言いようがない。


「……美沙、呼んで」


もう一度催促すると、観念したのか、腕の中で小さく身じろぎをし、大きく息を吸ったのが分かった。


「れ…礼央……さん」


自分で言わせといてあれだけど、思っていた以上に心臓に直接ガツンとくる感じ。ドクン


そして、照れているのが明らかに分かる様子に、すごく喜んでいる俺がいた。


「やばい…かなり嬉しいもんだね。俺のって感じがして」


「私はなんか恥ずかしいです」


正直に思っていることを伝えた。


「今日から俺の彼女でいいんだよね?」


大事な事を確認したかった。実感が欲しいって言うのが本音。


「もちろんですよ。私もすごく嬉しいです。ずっと好きだったんですから」


「これからよろしくね」


「こちらこそよろしくです」


固まっていたはずの彼女が、俺の背中に手を回して、抱きしめ返してくれた。


ぎゅっと俺の背中の洋服を握り締めているところが、俺のツボだったりする。