リハビリ第1日目の今日、小川さんは淡々と今後のリハビリについて説明し、俺の筋トレをしていった。


華奢な見た目とは違って、体全体をうまく使いながら、俺の脚の筋肉が悲鳴をあげるほどの筋トレ。


あまりに淡々とこなしていく様子に、あれほどまでに緊張していた自分が馬鹿らしくなった。


そして同時に、期待したって何も起こらないんだって、落ち込んだ。


初めましてといった感じの彼女に、もっと前、初めて出会った頃の事は覚えていないんだろうなと感じた。


無理もないか。就職したてで右も左も分からない状態だったんだ。俺と話した事があるなんて、覚えているはずも無いよな。


彼女が就職してすぐの頃は、もっともっとオドオドしていて、今みたいに堂々とはしていなかった。


初めて出会った頃と、今の彼女は成長して大きく変わり、まるで別人の様。


あれから3年近く経つもんな。成長して当然か。


それに比べて俺のドン臭さといえば……

「はぁー」


大きなため息が漏れた。


俺って、全然成長してねーじゃん。


それどころか、あの頃のほうが毎日の仕事が楽しくて、今よりもちゃんと看護師していたのかもしれない。