「やっと終わったー」


片付け終えた達成感で、1人きりの部屋だというのに、つい大きな声を出してしまった。


って、今何時だ?


片付けに集中していたせいで、全く時計を見ていなかった。


慌てて時計を確認すると、現在の時刻は18時。ソファの上に置いたままで放置されていた携帯の存在を思い出し、急いで取りに向かった。


もしかしたら、美沙から連絡が来ていたかもしれない。確か、今日は17時30分には仕事は終わるはずだ。何事もなく、定時で上がれたらだけど。


あった、あった、連絡は――やっぱりきていた。


美沙からの連絡は10分ほど前に来ていた。仕事が終わって、もう病院を出るところらしい。買い物してくるから、少しかかりますっていう内容だった。


いつもはこんな早くには仕事は終わっていないから、きっと急いで終わらせてきたんだろう。


なんとなくスタッフルームでの彼女の行動が想像できた。きっと、ほぼ無言で黙々とカルテを書いていたんだろうな。そんな彼女の様子に、誰も話しかけられずに、そんな空気に気づきながらも無視。そして、さっさと定時で終わり。きっとそんな感じだったんだろうな。


なんてね。あまりに早く会いたくて仕方ないからか、俺の頭の中は美沙でいっぱいだ。


本当のところは分からないけれど、急いで終わらせたことは確実だろう。


きっと美沙も今日を楽しみにしてくれたいるんだろうな。そう思うと、嬉しく感じると同時に、愛しい気持ちも大きくなった。


早く、美沙来ないかな。