凛とドアの前にたたず待っている高崎。

「空遥っつったろ?」

「…高崎。」

「…空遥。」

「……高崎。」

「……空遥。」

「………高崎。」

チッ…

高崎は舌打ちすると、
僕の目の前まで来た。


そしてうつ伏せで眠っている僕の…
僕を見下ろすように跨ぎ、
顔を近づけ耳元までやって来た。

「空遥って呼べ。」

高崎が近い…
僕の横で、僕の耳元で
甘く妖艶に声を出した。

耳元で喋られ、
ゾクゾクと鳥肌がたつ。

「二度目だが…
耳元で喋るな…」

くすぐったいだろ…

何か、
変な気分になる。

「…
耳弱いんだ…」

ふぅ~んと、
笑った高崎を押し退けようと、
腕にちからをいれ、
胸元を押す。