鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ



「え~」

何故そんなに残念がる…
嬉しいだろ?

そんなに遊んだんだから。

そう保健室のベットで眠っている
正確には横たわっている
僕を見下ろす昂ちゃん。
その彼には、
細かな返り血がついていたんだ。

「僕が寝ている短時間。
何故そんなに紅い。」

目を座らせて言う。
そんなものをもろともせず、
昂ちゃんは、

「喧嘩。
弱いな…
あんなんで俺たちの"蝶"を
守ろうってか?」

笑いが止まらねぇよ。

そんな言葉を口にする昂ちゃん。

僕はそんな昂ちゃんに
呆れながらも、不安だった。
心配だった。