「君は…西森(ニシモリ)くんかい?もうホームルーム終わったから、授業の準備しておきなさいね。休みもほどほどに明日からは遅刻しないように頑張りぃ」

「はぁい!すんませー‼︎」


しげジ先生は「いい子だねぇ」と呟きながら教室を出ていった。

一週間来なくてあんまりおとがめなしなんて、優しすぎる…!


「俺、西森夏月(カヅキ)ってゆーの。お隣よろし〜!」

「え、あ、よろしく…」


そう。西森くん。私の隣の席でした…
どーりで隣の席空いてたわけだ…
関わらないようにってか、関わることないなーって思ってたのに…

もう少しで授業が始まるから席を立つこともできない。
オロオロしていると、紀紗ちゃんが前に向きつつ後ろに下がってきた。何か言いたいことがあるのかと、前のめりになる。小声で話し始めた。


『西森にはぁ、あんまり関わらない方がいいわよぉ…』

『え、どういうこと?』

『【春夏秋冬】って不良グループの上に立ってる中の一人らしいわぁ』

『えぇ⁉︎』

『気をつけなさいねぇ…』


キーンコーンカーンコーン…


紀紗ちゃんがイスを引くと同時にチャイムがなった…すると、隣から「あ」と言う声が聞こえ、思わずチラッと見ると、ちょうどよく目が合ってしまった。


「教科書わすれちゃったんだよねー…日和子ちゃん見〜せて!」

「え、…はい…」


可愛らしい笑顔で見られたら断りづらいじゃな………

あれ…



私、名前教えたっけ?