「実は、ヒナちゃんにイイモノをやろうと思っての…
おや?ドコじゃったか…」


懐をゴソゴソ。
袂をゴソゴソ。

お、コレじゃ、なんて言って空狐が差し出したモノを、日向は受け取った。


「…
コレは…」


長方形で、平たくて、黒くて、でもって中央におそらく蒔絵と思われる細工が施してあって。
小さーい、小さーい、空狐サイズの…

印籠???


「薬箱じゃよ。」


うん。
ソレ、印籠。

どこまでも黄門様か。

それにしても…
コレ、貰ってもどーしよう?

ピルケースとして使うには小さいし、助さん格さんと旅する予定もナイし…

あ、そうだ。


「ありがとう、オジーチャン。
キーホルダーにするね。」


「そりゃ、いかん。」


「えぇ?!」


日向のナイスアイデーア☆は、一瞬で空狐に却下された。

じゃあコレ、いったいどーしろと?