パクリも大概にしねーと、今にどっかから苦情がくんゾ。
わりとまじで。
なんて裏事情など知る由もない由仁は、目を輝かせて日向に抱きついた。
「ソレ、サイコー。
ソレなら毎日楽しーし、毎日ヒナとこーしてられるし。
俺、物理学者になるー!」
…
安易すぎ。
学者ナメすぎ。
だが、諸々のツッコミはさて置き…
由仁は生まれて初めて本気で勉強を始めたワケだ。
バニーちゃんとの、バラ色の未来のためにネー☆
「由仁のヤツは、今日もワケのわからん暗号を解いとるンかの?」
軽く片手を上げてコーヒーを断った空狐は、キッチンボードにちょこんと座って足をブラブラさせた。
ワケのわからん暗号、て。
だが、激しく同意。
「うん、解いてる。
後で一緒に、ワケのわからん参考書まで買いに行くの。」
コンロにケトルを置いた日向は、眉尻を下げて笑った。
面映ゆそう。
けれど、とっても嬉しそう。
幸せを絵に描いたような日向の笑顔を、空狐は目元を和ませて見つめた。



