嗤うケダモノ




ハイ、瑠璃子さんデスヨネ。

彼女は納得なんてしていない。
千鶴子が復讐なんて望んでいないとわかっても、彼女自身の憎しみは消えない。

だから、叫ぶ。

清司郎を睨みつけて。


「終わるワケないわよね?!
千鶴子を愛してるンでしょ?!
千鶴子を奪った奴が、殺したいほど憎いでしょ?!」


叫ぶ。

由仁を睨みつけて。


「アンタだって!
化け狐じゃなくても!千鶴子の子だったら!
母親を奪った奴が、殺したいほど憎いでしょ?!」


叫ぶ。

応える者がいなくとも。

叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。


「なによ!なんなのよ!
これだから男なんて!
自分さえ良ければいいンでしょ?!
女なんて使い捨てなンでしょ?!
アンタも!アンタも!アンタも!
男なんてみんな、女を食いモノにするケダモノなのよ!!」


孝司郎を指差して。
清司郎を指差して。

最後に、由仁を指差して。

瑠璃子は叫ぶ。

その憎悪に満ちた叫びの中、日向は徐々に表情を消していく由仁を見ていた。

今の彼は、ココに来てからよく見る彼だ。

恐いくらいに美しい…