なのに日向は大きな目を瞬かせ、首を傾げて少し考え込んでから…


「別に。」


平然と答えた。


「私たちがこの旅館にいるコトはみんなが知ってますし、いずれ杏子さんも帰ってくるだろうし…
すぐに助けが来ますよ。」


「…
ヒナはほんとに男前だネー…」


「…
そーでもナイと思います。」


感心したように頷いた由仁を見つめて、日向が小さく呟く。

頬を染めて。
薄く唇を綻ばせて。
伏し目がちに。



って…
ナニ?この可愛い小動物は?


「落ち着いてられるのは、一人じゃないから…
せ…せせ先輩と… 一緒だから…」








ナニ─────?!
この可愛い小動物の攻撃力の高さはぁぁぁ??!!

理性やら良識やら、人として大切なアレコレが片っ端から撃破されちゃって、由仁の中に残ったのは、ケダモノじみた本能のみ。

コレは…

非常にヤバい…