「先輩…
座敷牢の扉、開けるンですか?」
「当然じゃーん☆」
「…
ちなみに… ナニで?」
「当然、ピッキングツールじゃーん☆」
…
やっぱりかぁぁぁぁぁ!!
やっぱり持ってやがったかぁぁぁぁぁ!!
もう探検家じゃなくて、ドロボーじゃねーかぁぁぁぁぁ!!
「先輩… ソレ、犯ざ」
「だいじょぶ、だいじょぶ。
あーゆー昔の錠って、頑丈そーに見えるケド、作りが単純でワンパターンなの。」
「や、違くて… ソレ、犯ざ」
「だいじょぶ、だいじょぶ。
あっという間に開けちゃうよー。」
「…」
言っても無駄デスヨネ。
ワカリマス。
スムーズに動くようになった引き戸を確認して立ち上がった由仁が、艶然と微笑んで日向に手を差し伸べる。
「おいで。」
誰がこの、優しい手を持つクリミナルに逆らえると言うのか。
その手を取って握り返してしまう自分自身に、日向は苦笑を漏らした。



