とは言っても、自費で旅行となると厳しいモノがある。

プールとかお祭りとか、行きたいトコロがたくさんあって、そもそもお小遣いがピンチだし。

…実は、由仁は懐に余裕があったりする。

一年の時、バイク購入資金のためにバイトしていたから。

飲食店で、彼目当てのお客が増えて、結果ボーナスなんかも増えて、マジェスティ買っても結構残ったンだよネ。

だが、
『お金の心配はいらないヨ☆』
なんて言っても、自立心の強い日向が納得しないのは明白。

じゃ、どーする?

諦める?

いやいや。
愛のバカンスしたいし。

じゃ、どーする?

バイトする?

いやいやいやいや。
会う時間が減るのはイヤだし。

じゃ…


(二人で一緒のバイトすればいンじゃね?)


ナイスアイデーア☆に目を輝かせた由仁は、ムクリとベッドから起き上がった。

もうココは由仁の部屋。

日向に慰めてもらって。
日向と一緒に学校を出て。
日向を家まで送って。

自分チに帰ってから、ずっと寝転がって考えてたってワケ。

傍にいてもいなくても、頭は日向でいっぱいなンデスネ。
ワカリマス。