『ローマは一日にして成らず』
とは、よく言ったモノでして。

いくら瞬発力を爆発させても、日頃からコツコツ努力している人には敵わないモノでして。

結果は、樹の勝利。

いや、よく頑張ったンだケドネ?!
数点差だったンだケドネ?!

惜敗ってヤツだったンデスケドネ───??!!

樹の高笑いを背中で聞いて泣きながら教室を飛び出した由仁は、オカ研部室で日向に慰められていた。


「ヒナー 負けちゃったー」


「二番目でもスゴいじゃないですか!ヨシヨシ」


「…
ヒナ、なんか微妙に機嫌イイ?
ひょっとしてホっとしてる?」


「ギクッ
いえいえいえいえぇぇぇ??
残念だナぁぁぁぁぁ???
先輩とバカンスしたかったナぁぁぁぁぁ???」


「ふーん? そー?
じゃ、ドッカ行こっかー。
夏休みだし。黒ビキニだし。」


「着ません。」


「じゃ、スクール水」


「着ません!!」


スクール水着か…
なかなかアレな趣向デスナ。

水着はともかく、バカンスはイヤでもないみたいネ、日向サン?