ナニ拗ねてンだか、この男は。
日向は小首を傾げて苦笑した。
「楽しそうだなって思ったダケですよ。
東堂先輩で決まりなのは…
まぁ、決まりでショ?」
なんの気ナシな、その言葉。
由仁の目がスっと細くなった。
「ふーん?
じゃ、もしも俺が一番取ったらどーする?
ヒナ、一緒に行くー?」
「イイですよー。
先輩が一番取れたら。」
「じゃ、黒の紐ビキニなんかも着てくれたりー?」
「イイですよー。
先輩が一番取れたら。」
「ふーん?
そっかー。」
親指で下唇を撫でながら、由仁が妖しく嗤う。
その挑発するような笑顔を正面から受け止めて、日向も可愛くニッコリ笑う。
だって…
ムリだろ。
ナイだろ。
一番とか。
(東堂先輩がいるとかいないとか以前に、先輩が自主的に勉強してるトコなんて見たコトないし。)
だから、余裕。
黒ビキニなんてあり得ない。



