嗤うケダモノ


「‥‥‥‥‥キレイ…」


日向が小さく呟いた。

彼女の瞳も、潤んでキラキラ輝いている。


(コッチは、俺のためだけのイルミネーションだケドネー。)


こっそり口角を上げた由仁は、再び指を鳴らした。

途端に光でできた白銀の世界は消える。


「あっ」


驚いて短い声を上げた日向の腰を、由仁は抱き寄せた。

闇の中でも、彼女の瞳が見えるように。

彼だけに瞬くイルミネーションが見えるように。

近く、強く。


「もーおしまーい。
誰かに見つかると、怪奇現象とかって噂になっちゃう。」


「あー…
そりゃソーデスネ…」


「残念ー?」


「まぁ…
でも、しょうがないデス。」


日向は頷きながらも、少し寂しそうに微笑んだ。

なんかカワイソー。
チクリと胸が痛む。

だが、ソレでイイ。

思うつぼなンだよ?バニーちゃん。