嗤うケダモノ


「ところで一年女子。
こんな居心地が悪そうな場所で よくノンキに食事できるな。」


やっと百合に解放されてズルズルとラーメンを啜りだした日向に、割り箸をパチンと割った樹が言った。

彼も、この異様な雰囲気に気づいているのだ。

いや、気づかないはずがない。

だって今も日向は、恨みがましい多くの目で一挙一動をガン見されているのだから。

ひょっとしてこの二人…
心配して、声を掛けてくれたのカナ?


「気にしてませんから。
てかココが戦場でも、きっとなんでも食べますよ、私。」


箸でメンマをつまみながら、あっけらかんと日向が笑った。

けれど、隣の百合は眉をひそめる。


「でも、コレはサスガにあんまりよ。
ジンはなんて言ってンの?」


え…

なんて言ってるもナニも…


「久我先輩は知りませんよ、このコト。」


「「はぁ?」」


「え… ハイ?」


声を揃えた樹と百合に真顔で迫られ、日向は若干身を引いた。

なんか…
悪いコト言いマシタカ?