嗤うケダモノ


「の、ハズだったのに…」


杏子は今回も空狐の襟首をつまみ上げ、頬をヒクヒクさせながら至近距離で睨みつけていた。


「ナンデ出てきてンだ、このクソジジィ。
条件はキッチリ飲んだだろが。
今さら契約不履行ってか?あ?
ジンが九尾に食われたら、オメェは私が鍋にして食ってやっからな?あぁ?」


「違うンじゃ、違うンじゃっ
堪忍してくれ、杏子ちゃん。
由仁がムリヤリ九尾の妖力を奪い獲って、儂を追い出したンじゃぁぁぁぅぁぅぁー」


言ってるコトもその顔も、まじで鬼女だヨ?杏子さん。

大神狐サマ、泣き入ってンじゃん。

ハイ、とりあえず皆サマに状況説明といきまショーか。

日向と別れた由仁と空狐は真っ直ぐ家に帰り、仕事に出ていた杏子を客間で待っていた



帰宅した杏子は、由仁の膝の上で寛ぐ空狐を見てビックリ



青ざめる杏子に全身を弄くりまわされ、由仁はあまりの擽ったさにのたうち回る羽目になった



瀕死の由仁に、項垂れた杏子が彼の本当の出自を明かした



話が一段落して静かな空気が客間に流れる中、神妙な顔で頷いていた空狐が捕獲され、いきなり鍋に投入危機 ← 今ココ