自転車に揺られるコト30分。
問われるままに住所を答えると ドラ●もんは私を家の近所の公園まで送ってくれた。
本当にアリガトウ。
今度、ドラ焼きをご馳走させてクダサイ。
自転車の荷台から降りてお礼を口にしようとドラ●もんを見上げた私は、言葉を忘れて固まった。
だって…
公園の水銀灯に照らし出されたその男は‥‥‥
頭に懐中電灯をつけていた。
え?
ソレ、ヘッドランプってヤツ?
リアルで見たの、初めてだよ。
本気で本気の探検家デスカ。
いやいや。
ツッコみドコロはソコじゃない。
いやいやいや。
ヘッドランプとか、立派なツッコみドコロだケドも。
ソレ以上に…
(ナニ? このエロい男…)
…
ボキャブラリーの貧困さは、見逃してやって。
アホの中二だから。
とにかく私は男の全身から醸し出される色香に圧倒され、茫然と立ち尽くした。
私を窮地から救ってくれたのは 未来から来たネコ型ロボットではなかった。
ヘッドランプですら様になる、光源氏も真っ青な色男だった。



