My sweet lover

横たわっていた由梨を引き寄せて、思いっきり抱きしめた。


「由梨…ありがとな。俺も頑張るよ。
大丈夫。俺には由梨しかいない。だから、安心して行け」


「…うん、頑張る…」


すごいな。


俺がこんな気持ちにさせられるとは。


この店を継いだ時、この場所でこんなに本気になれる子に出会えるなんて、思ってもみなかった。


もしかしたら、最初に名簿を見た時から、俺は気づいていたのかもしれないな。


母さんが好きだったユリの花の名前。


俺が大切にしていたリリーに似て従順な子。


母さんとリリーが、俺に教えてくれたのかもしれない。


 
“この子が運命の相手だよ”って…。



泣いている由梨の頬を、両手でそっと包み込む。


きっと大丈夫だ。


俺とお前なら。


きっと乗り越えられる。


由梨にそっと顔を近づける。


可愛い唇に触れたい。


由梨…。


大好きだ…。


その時だった。


「ウォッホンッ」


わざとらしい咳が、部屋中に大きく響いた。


「あのー、社長。僕の存在、完全に忘れてませんか?」


あ…。


やべぇ。


またやっちまった…。


「もう!二人で居る時っていつもそうなんですか?

どこに視線をやっていいか、困っちゃったじゃないですか!」


うぅ~、さすがに照れる。


由梨も恥ずかしそうだ。