My sweet lover

「ど、どうしてだよっ?なんで?

行ったらいつ帰られるかわからないんだぞ?

お前、俺と離れて平気なのかよ」


大阪の店とウチの店は休みも違う。


200kmは離れてるし、確実に遠距離になってしまうんだ。


盆と正月くらいしか会えなくなるのに、そんなの…。


「平気じゃないよ。平気なわけない…。

離れてる間に夏樹さんが心変わりしたらどうしようって、そう思ったら怖くてたまらない…」


「心変わりなんか、するわけないじゃないか!」


何言ってんだよ、全く!


俺の気持ち、何だと思ってんだよ。


「でも、そんなのわからないでしょう?」


「そ、そう思うんだったら、なおさら大阪なんか行くんじゃねぇよ!」


俺だって不安なんだ。

 
急に色気が出て来たお前のことだ。


周りの男が放っておくわけないだろうし。


変なヤツに迫られても、離れてちゃ守りようがない。


「夏樹さん、あのね…。

オーナーがあと3年で定年を迎えるでしょう?」


「え?あ、あぁ…」


「オーナー、引退を考えているそうなの」


「え…?」


おやじが引退?


そんな、まさか…。


「その時、会社の全経営権を夏樹さんに譲りたいんですって」


え…?