My sweet lover

「もう隠すな。全部言え。

そうしないとその病気は治らないぞ」


「……うん」


由梨は一度目を閉じると、ゆっくりと深呼吸をし、俺の顔を真っ直ぐに見つめた。


「夏樹さんが、オーナーから結婚の条件に東海地域の管理を任されたでしょう?」


「うん。そうだけど?」


「実はね。私にも条件が出てるの…」


「へっ?」


思わず目を見開いた。


「そ、その条件って、何…?」


どうしよう。


由梨がここまで悩むって事は相当…。


「あのね…」


「うん…」


「関西のお店に行けって…」


「……っ」


そ、んな…、まじかよ…。

 
うそだろ…?


「あのクソおやじっ。なんなんだよ、その条件!

それだけはやめてくれって頼んだのに。

由梨、もういいよ。お前、仕事辞めろ。

結婚がずっと先になったっていい。お前さえそばに居てくれたら…」


「夏樹さん…」


その条件だけは絶対飲めない。


由梨とは絶対離れない。


何があっても…。


「夏樹さん、私ね…。行こうかと思ってるの…」


え…?


「由梨。今なんて言った?」


どこへ行くって?


「大阪に…行こうと思う」


由梨…?