My sweet lover

「うわっ」


キュッとタイヤが甲高い音を立てる。


ブレーキをかけ、歩道に停車させた。


ハンドルに頭を置き、呼吸を整える。


い、今のはヤバかった。


ハンドル取られちまった。


対向車が来てたらどうなっていたか…。


音楽をガンガンにかけているから音はさほど気にならないが、稲光を見るとこんなにも動揺してしまう。


朝日の家までそんなに遠くないのに、時々こうして休憩しないと、まともに運転すら出来ない。


なんでこんな日に限って、雷が鳴るんだよ!


震える指先を握り締める。


さっきからきつく握り締め過ぎて、爪の跡がすごい。


こんなんじゃ間に合わないのに。


自分に苛立つ。


また失うのか?


一番大切な人を…。


俺は一生手に入れられない運命なのか?


昨日、思わず交わしたキス。


アイツも身体が熱くなっていた。


もしかしたら…なんて、期待してしまう。


少しでも可能性があるなら、それに賭けたいんだ。


もう失いたくない。


絶対、絶対会いに行ってやる。


ペダルをブレーキからアクセルに変える。


急げ。


絶対間に合わせるんだ。


由梨。







お前に会いたい……。