「はい、これ。プレゼント用に包装したから。
久遠君から由梨ちゃんに渡してあげてよ」


松本さんが社長に綺麗な紙袋を手渡す。


「水沢、ほら」


なんだか照れくさそうに片手で差し出す社長。


「あ、ありがとうございます。すごく綺麗なデザインでした」


私は頭を下げて、それを受け取った。


「そうか。良かったな。俺、会計してもらうから、お前は先に外に出てろ」


社長にそう言われて、私は松本さんにお礼を言ってお店を出た。


社長はきっと、私に金額を知られないように外に出したんだろうな。


多分、相当高いはずだから…。


そういうとこ、社長ってすごく優しい。


しばらく待っていたら、カランとドアが開いた。


「松本、ありがとな」


「うん。こちらこそ、ありがとね。由梨ちゃん、また遊びに来てね」


「はい」


私と社長は松本さんに手を振り、お店を後にした。


社長と並んでアーケード街を歩く。


私達の間をすり抜ける風が、涼しくて柔らかい。


「水沢」


「はい」


「お前、胸デカイ」


「はぁっ?」


な、何を突然。


「松本の店の下着はパッドが入ってないはずだから、それがお前の本当のサイズなんだ。

やっぱお前、スタイルいいよな」


な、なななんてこと!


「ちょっ、社長。それってセクハラになりませんか?」


「セクハラって、おいおい。まさか訴える気か?」


「いや、別に訴えはしませんけど…」


私がそう言うと、社長がククッと喉を鳴らして笑った。