「僕ね、ありさに今の正直な気持ちを伝えようと思うんだ。
由梨ちゃんの事は言わないよ。
由梨ちゃんは原因じゃなくて、きっかけだから…」


朝日さんの話を聞きながら、私は複雑な気持ちになっていた。


正直、私には難し過ぎて、どうしていいかわからない。


私はただ、見守って待つしかないのだろうか…?


「由梨ちゃん、心配しないで。
僕は、由梨ちゃんと気持ちが通じ合えた事が嬉しくて仕方ないんだから」


そう言って、朝日さんは私をぎゅっと抱きしめる。


しばらくすると身体を離して、優しいキスをくれた。


「今夜は帰るね。

まだ僕は中途半端な状態だし。

これ以上の事をする資格もないし。

本当はもっと一緒にいたいけど」


朝日さんが、優しくほほえんでくれる。


「今日、会えて嬉しかった。また会えるよね?」


その笑顔に少しホッとして、私は朝日さんの腕の中で静かにうなずいた。