「前にも言ったけど、俺は花音と話したいから来てるだけだし」
これは事実だ。
花音のピアノを聴いたり、ノートを通して話してることが心地いい。
だから毎日来たいと思ってしまう。
〔私も優くんと話せるの、楽しい〕
花音は新しいページにそんなことを書いて見せてきた。
こういうやり取りだけど、俺たちはちゃんと想いを言葉にして伝えあっている。
でもひっかかってることが1つ。
「このノート、普通すぎるな?
なんかもっと可愛いノートとかにしたら良かったなって思う」
だって、俺が数学の授業で使おうとしてたノートだし。
もっと可愛いのをあげれば良かったなって、ちょっと後悔。
花音は可愛らしい女の子だから。


