「ホントだ。なんの本?」
その言葉に、俺の手もとにあった本を見つめる佐倉。
「なんでもねぇよ」
俺はそう言うと、本をもとの場所へ返そうと立ち上がった。
「えー。ケチ!教えてくれてもいいのに!」
冗談っぽく笑ながらブーブーと言ってる佐倉。
「佐倉はテスト勉強してきなさーい」
だから俺も冗談っぽく言った。
「ははっ。まさかの優に言われるとは!!」
「まさかのバカに言われましたねー!」
「分かってるなら本なんて読んでないで勉強しなさいよー?」
「はいよっ」
「はいは1回!」
「はい!って、1回だったじゃん!!」
「あははっ!!引っかかってやんの♪」
ほらな?
こういう奴だから、俺も楽しく会話できる。


