【完】君ノート





「うわー!優、逃げられてやんの。だっせー!」



涼太が俺を見ながら笑ってきた。




「うっせ!元はと言えば、お前のせいだろ!」




水遊びさえしなければ、あの子に被害はなかったのに。

風邪とかひかないといいけど…。






「ごめんって!!調子乗りすぎた…」




こんな涼太でも、今回は反省してるみたいだし、まぁいいや。



今度あの子を見かけたら、もう一度謝ろう。




「あの子、見かけない子だよね?1年生かな…?」




「さぁな」




涼太のそんな問いに、適当に返す。



俺は拾ったすずらんを見つめていた。