立ち上がった女性の後ろ姿に、声をかける。 「すいません!それ、俺のです!」 そう言うと、彼女はゆっくりと振り返った。 「…………っ!!!」 ───────これは、夢? だって、目の前にいるこの人を…… 俺は知っている。 世界で1番、愛した人だから。 「………花音?」 この名前が呼べることを…… ずっと待っていた気がした。 この名前を呼ぶたびに、 俺の心は幸せな気持ちになれた。 いつか君と交わした。 『大好き』 その想いは……。 言葉となって、ずっと俺の心の中にあった。