そして、息をスゥッと吸って、歌いだした。


俺は目を閉じて、その歌声を聞く。





〜♪〜♪〜♪



誰でも知っているその曲。


俺もいつの日か……彼女と歌った。





音痴な俺の歌声と、


彼女のキレイな声で─────……。







『この声で、人を笑顔にしたい!』



できるよ。


君なら…………。









〜♪〜♪〜♪



鈴音ちゃんが歌い終わった瞬間、俺は閉じていた目を開けた。



そして、俺の想いを、鈴音ちゃんに伝える。



「鈴音ちゃんは、その歌で、人を笑顔にできるよ。

幼稚園のみんなと、一緒に歌ってみて?
みんながきっと、集まってくる」





声の力。



想いが言葉となって、音になる。




そのとき…………


人と人は……繋がりあう。