「なんでか教えてくれないかな?」




「鈴音は、お友達いらない。
みんな、鈴音のこと嫌いだもん……。

お歌があればいい……」




鈴音ちゃんはうつむきながら、そう言った。


いらないんじゃなくて、

友達の作り方が分からないだけだ……。






「鈴音ちゃんは、歌が好きなの?」




「うん、大好き!」



…………。



なぜだろう。



いつかの彼女の言葉が、頭をよぎる。






『大好き』






彼女は言っていた……。



自分の歌で、人を笑顔にしたい。……と。





「…………鈴音ちゃん。

その歌を、聞かせてくれないかな?」





「うん!いいよ!!」




いつの間にか、鈴音ちゃんは笑顔になっていた。