「よく言ったな……」 「優く……っ……ひっく……。ごめんなさ…………っ」 泣きじゃくる花音に、 俺は微笑んでしまう。 花音には、想いがあるから、涙があふれてるんだろ。 そう思うと、なんだか嬉しかった。 花音の涙を、人差し指でそっとすくう。 「花音、笑って」 笑ったら、強くなれる。 ふと仏壇に目をやると、 お母さんの写真は、幸せそうな顔をしていた。 若くて、キレイって思ったけど、 よく見たら、花音と笑顔がそっくりな気がした。