「はぁ……はぁ……」 学校から、ただひたすらに走って……。 今、花音の家の前までやって来た。 夏休み以来の、この場所へ。 インターホンを押した。 手に変な汗がでてくる。 花音……出てこい……。 ひとりで、悲しい想いさせて悪かった……。 ───ガラッ。 「はい……?」 「……っ!?」 出てきたのは、花音ではなく、誠実そうな男性だった。