「私も……。
優くんと一緒にいたい。
このノートをくれた、優くんと……」





そう言って、花音はピアノに置いていたノートを手にとる。




「あははっ。そのノート、ずっと持ってるんだな」




「うん。
だってこれは、私の声の欠片だもん。

私の思い出。私のお守り。私の未来。

全部がつまってる。
このノートがなかったら、今の私はいなかった」




「そっか……」



俺があげた、一冊のノート。



今思えば、このノートから全てが始まったんだよな。






「これから先も……。
ずっと優くんと一緒にいれるって、約束がほしいな」


花音の言葉に、首をかしげた。



「約束?」



「うん、未来の約束……」



ノートを広げる花音は、新しいページを開く。

そのノートは見開きになっていて、真っ白だった。