「冬に種を埋めていいの?」
植物のこととか、全く知らない俺は花音にそう聞いた。
「うん!今のうちから準備するの!
チューリップとか、もう埋める時期だよ」
物知りな花音は、俺にまたひとつ、教えてくれた。
「それも、おばあちゃんに教えてもらったのか?」
「うん!!」
花音はおばあちゃんが大好きなんだってことが、この笑顔でわかる。
ずっと、育ててきてくれた人だもんな。
大切な家族だもんな。
「あっ!!
そういえばね!おばあちゃんが、また優くんに会いたいって言ってた!!
夏休みのとき以来、ちゃんとお礼も言えてないしって!」
花音はハッと思い出したように言う。