…………。 あれから1ヶ月。 私は、お母さんのお墓の前にいた。 花束と、ノートを持って。 風に吹かれながら、あの人を待つ。 「……花音?」 誰かが私の名前を呼んだ。 だからゆっくりと振り返る。 そこにいたのは、誠実そうな男性。 昔とは違って、少し老けていた。 でも、なにか面影があった。 だから…… 「お父さん……」 そう呼ぶことができた。