「おばあちゃん……。
私、どうしていいのか分からない」
「花音ちゃん。大丈夫。
奏もきっと、あなたを見守ってるから。
あなたが幸せになれるように…」
「私……」
お母さん。
どうして私を置いて、逝ってしまったの?
私、もっとお母さんと話したいこといっぱいあったんだよ。
お母さんに、言ってないことがあるよね。
私ね。
優くんっていう、素敵な人と出会えたんだよ。
お母さんに、好きな人の話、したかったな。
「花音ちゃん。
おばあちゃんね。奏からたくさん、花音ちゃんの話を聞いてたんだよ。
……花音ちゃんのことを、いつも自慢の娘だって言っていた」
私が覚えてるお母さんは、すごく若くてきれいな人だった。
あまりにも早くに、還らぬ人となったから。


