「おい!!三浦ー!!!」
外の方、どこからか怒りに満ちた声が聞こえてきた。
「やべっ!早速きやがったし!!」
「えっ!見つかっちゃうよ!!」
「花音!隠れて!!」
「……ひゃっ!」
優くんは私の腕を掴んで、そのままギュッと腕の中に私を包み込んだ。
そして、外からは見えないようにしゃがみ込む。
……近すぎて、ドキドキする。
私の心臓の音……聞こえちゃいそう。
「三浦ー!!
サボるなー!!どこいったー!!」
足音と共に、怒鳴り声も近づいてきて。
私は近くにある優くんの顔を見上げた。
「しー……」
口もとに人差し指を当て、無邪気に笑う優くん。
ドキドキとするけど、安心できる。
なんだかふわふわした気持ちになって、頬が緩んだ。


