「涼太!俺、ちょっと行ってくるわ!!」




「えっ?いってらっしゃい!って…どこに?」




突然の俺の発言に、今度は驚いた顔を見せてきた。




「部活頑張れよー!」



俺は質問に答えずに涼太にそう告げると、真っ先にあの教室へ向かった。






───ガラッ。




古びた物置の教室は少し開きにくい。



でも、すぐに俺の目にはグランドピアノが入ってきた。




女の子はまだ来てない。


今日は来ないかもしれない…。


けど、なんとなく来てくれる気がした。