どこにいるのか…
あてもなく、探す。
君に、この想いを全て伝えたい。
「……花音ちゃん?」
声をかけられ、振りかえる。
そこにいたのは、優くんの友達の涼太先輩だった。
「初めまして、だよね。
…優だったら、用具を片付けに体育倉庫の方へ行ったよ」
なんでみんな、私の気持ちを分かってくれるんだろう。
私は涼太先輩に、お礼として頭をさげた。
「俺の大事なパートナーに、意地でも想い伝えてやって。
あいつ、俺くらい素直に伝えてやんないと、分かんないんだよ。
バカだから」
なんて、ふざけたように言ってるけど、
私は笑顔でうなずいた。
優くんってば、
鈍感。とか、バカ。とか、ひどい言われようだけど……。
それはきっと、愛情の裏返り。
みんな、優くんが大好きなんだね。


