沢田くんの言葉に、私はコクンとうなずいた。
大好き。
声にしたい。
〝大好き〟
声にしようと言ってみた。
やっぱり声は出なかったけど……
……のどの奥が少し、キュッとなる。
いつもと違う。
なんだか今なら、声が出そうな気がした。
「俺は木崎が好きだよ。それは今も変わらない。
でも、今木崎を泣かせてんのは、優先輩なんだろ?
笑顔にできんのも…優先輩なんだろ?
だったら…行け。まだ間に合う。走れ。
明日とか、そんなんじゃ遅い。
伝えたいって思ったら、伝えたいって思った瞬間……今、行きなよ」
沢田くんは、私の背中をポンッと押した。


