私は沢田くんの方へと振り返った。




それと同時に、目に浮かぶ私の涙がキラッと光った。


少しだけ鮮やかに見えた世界。




私は、伝えなきゃいけない。




「ん? どうした? 」



優しい微笑みで私を見つめる沢田くんは、なぜだかすごく切ない。






真っ直ぐに、沢田くんを見つめる。


もう目を反らすのはやめた。




「俺に話?
……聞くよ。木崎の話。
なんでも俺に言ってって、約束したもんな」



まるで全てを見透かしたように、そんな風に言う沢田くんは、


きっと、私の気持ちに気づいてた。




「俺、木崎の気持ち知ってる。だってずっと、お前見てたもん。後ろの席で、ずっと」




…沢田くん。




「木崎は、優先輩が……好き?」