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『俺…君のピアノ、好き』

優くんは、私のピアノを好きと言ってくれた。

でもあの日は、名前を聞かれて、答えられなくて私、逃げちゃったね。




『このノートで俺と話してくれませんか?』

敬語でそう言った優くんは、照れ臭そうに1冊のノートをくれた。

私に、言葉をくれた。




『花音か!キレイな名前だな!』


名前をノートに書いてみせると、嬉しそうに言った優くん。




『俺は2年の三浦 優だよ。優しいって書いて、ゆうって読む』

名前を知れて良かった。

名前のとおり、優しい優くん。




『なんで泣いてるんだよ…。1人で抱えこむな…。俺を頼れよ…』


優くんは同情で私に近づいたって、勝手に誤解しちゃって泣いてたとき、

優しく、抱きしめて言ってくれた。