「花音ちゃんも、三浦のこと、好き?」
もう、自分の気持ちに嘘はつきたくない。
私はうなずかなかった。
手に持っている木の枝で、文字を書く。
好きよりも、もっと。
〔大好き〕
「そっか……。大好き……か」
私の言葉を見て、さくら先輩は笑った。
「優を好きになれて良かった?」
顔をあげて、真っ直ぐ私を見て聞いてきた。
確かに、辛いこともあったけど……
それでも、
楽しくて、
温かくて、
すごく幸せな気持ちをくれた君を……
優くんを好きになれて、嬉しかった。
だから私は、さくら先輩を真っ直ぐ見つめて、コクッと強くうなずくことができた。


