「私、三浦に振られちゃった」
えっ!?
さくら先輩の言葉に驚く。
目を見開いて、先輩を見てしまった。
先輩はまだ空を見上げていて……。
なにを見ているんだろう、と思い、私も空を見上げた。
太陽だ。
まぶしい太陽を見てたんだって分かる。
「ずっと、三浦だけを見てきたけど……。だめだった」
さくら先輩が泣いてる理由は、それだったのか。
「好きな子がいるんだって……。私は三浦だけを見てきたのに、ひどいよね」
涙をためて笑ってる先輩を見ていると、
私のせっかく洗った目に、また涙が浮かんでくる。
さくら先輩みたいな、美人で、なんでもできちゃうような完璧な人じゃ、かなわないって思ってたけど……。
さくら先輩まで振られるなんて、私なんて、余計にだめだ。


