「はぁぁ…。私の方が、ずっと前から好きだったんだけどなぁ〜」



笑い終えたかと思うと、ボソッとそんなことをつぶやく。




「ちょっ、佐倉!?」



恥ずかしいことを、普通に言うな!





「ふふっ。……三浦が分かりやすいんじゃない。
私が、ずっと見てきたから分かるのかも」




「佐倉……」




「嘘だよ。あんた超分かりやすいもん」




さっきから、なんなんだよ!!






「勇気だして、告白しちゃったけど、長年の片想いも終わっちゃった…」



少し涙ぐむ彼女の顔は、きれいだった。




「ごめんな。でも、ありがとう……。
嬉しかったよ」



……めっちゃ、嬉しかった。




「なら、もういいや。もう十分。
三浦を好きになれて、良かった。
ありがとう!!」



ニコッと笑ってそう言った佐倉。


佐倉は、俺が気まずくないように、いつもみたいに、ふざけた感じで接してくれたのかもな。



それが、佐倉の優しさな気がした。