【完】君ノート




なにかを覚悟したように、強く、強く…。



君は、鞄の中にある君のノートを手に取った。



そして、シャーペンを手にし、なにかを書き始める。



俺は花音のもとへと行き、その行動を止めてしまった。





俺のことを好きじゃない。

それは、さっき分かってしまった。




ノートで花音は、何を伝える?


私は、沢田くんが好きっていうのか?





それが怖くて、逃げたんだ。


彼女が今から、ノートで伝えようとすることを、俺は止めてしまったんだ。



花音の伝えたいことを、ないものにしてしまったんだ。




最低なやつだ。

花音の想いを受け止める。

そう決めたのに。



いざ、花音が誰かのもとへ行ってしまうのかと思うと、


怖くて……。

嫌で……。