「なぁ涼太。俺、まだ話してねーや」
「えっ?」
「花音と話してねーや」
「……そっか。じゃあ、話さないと。
花音ちゃんの気持ち、聞かないと」
「おう。だから、今日は最後の体育祭の実行委員の集まりあるからさ、
おそらく花音は、あの教室にいるんだよね。
…実行委員、今日だけ変わってくれるよな?
最高のパートナー、涼太くん」
俺はわざと、涼太に〝くん〟をつけて、笑って見せた。
「んだそれ!
ちゃっかりしてやんのー!
しゃーねーな!!今回だけだかんな!」
分かってんじゃんよ、パートナー。
「サンキュ」
俺はそう言った。
涼太はピースサインをしてくる。
そのタイミングで先生が教室に入ってきた。


