「いいやつなのか?」
「沢田はいいやつだよ。部活で人気者。2年のみんなも、顧問も気に入ってる。
もちろん、俺も。
あいつはバスケでいいパートナーだよ。
俺のことを尊敬してるって言ってきたんだぜ?」
「あっそ」
得意げに笑う涼太を、テキトーにあしらった。
キャプテンとしての涼太は、尊敬するほどの腕前だから納得できる。
だが、日頃の涼太を尊敬してはいけない。
と、心で沢田くんに伝えてやった。
とりあえず、沢田はいいやつみたいだ。
だから……。
花音が笑ってられる場所が、そいつなら……。
俺は、諦める。


